
自由気ままな母親、京子(小林聡美)に会うため、
娘さや(伽奈)が大学の卒業旅行でタイに
やって来るところから物語ははじまります。
自分と祖母を日本に残してタイに行ってしまった
母親の気持ちが理解できない、さや。
京子と上手くコミュニケーションをとることができません。
でも、嫌いだったら、わざわざタイにまで会いに
行ったりしないでしょうし、大切な人(母親)だから
知りたいことがあるのだという、さやの気持ちが、
ちぐはぐに見える二人のやりとりの中に垣間見えて…
「なんとか理解し合えないものか」と思いながら見ていました。
でも、大丈夫。
さみしさを上手く表現できなかった、さやの心に、
京子が渡した刺繍入りのストールがふわりと寄り添い、
絡まっていた糸が少しずつ解けはじめた、そんな旅の終わりは
母と娘の新たな物語の始まりのように見えました。
多くは語られませんが、他の登場人物にも、それぞれの過去、
悲しみ、希望があるようで…。
余命宣告を受けても、日々を穏やかに過ごす菊子(もたいまさこ)。
自分の優しさゆえに心を痛める青年、市尾(加瀬亮)。
失踪中の母親に会えなくて寂しいのに笑顔を絶やさない少年ビー
(現地オーディションで選ばれた男の子)。
描かれていないサイドストーリーも気になります。
みんな、きっと、「自分探しの旅」の途中なのですね。
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携帯電話やテレビがなくても、丁寧な暮らしは心を豊かにする。
チェンマイという街のゆるやかな空気感も、プールの青色も、
ゲストハウスの素敵過ぎる佇まいも、揚げバナナを食べた時の
サクサク音も、夜空に吸い込まれるコムローイ(薄い紙でできた
筒状の熱気球)の炎のオレンジ色も、全部全部、素敵でした。




